12月21日~22日にかけての富山県西部周辺大雪の読み解き

12月21日~22日に富山県西部(岐阜県白川村を含む)の積雪について、読み解き(事後解析)を行いました。今後の積雪予報の参考になればと思いますので、ご理解の上、ご活用ください。

大雪の状況(一般的)

① 西高東低の気圧配置
  ・等圧線が南北、間隔が狭い
② 上空に寒気が入っている。
・輪島上空500hPaで、-33℃以下など
③ JPCZ(日本海寒帯気団集束帯)ができ、当該地域にかかっている。
④ 地形的要因
⑤ 日本海海水温の上昇

今回の富山県西部地区の事例

富山県西部地区には、JPCZ(日本海寒帯気団集束帯)がかかった時間帯があり、積雪が多くなったと考えられる。しかし、他の地域より積雪が多くなった時間帯があり、その要因を明らかにしたいと思い読み解き(事後解析)を行った。

アメダス積雪深 気象庁ホームページより

富山県西部地区は、22日0時前後の降雪が多かった。この降雪は、気象庁GPVで予想されていた。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2023122200006MSM.jpg
202312220000までの6時間積雪予想MSM

JPCZ(日本海寒帯気団集束帯)のかかっている地域と少し離れていたので、気象庁GPVで大きくなった要因を読み解いた。

22日0時ころまで富山県西部地区は、JPCZ(日本海寒帯気団集束帯)の南側のLモード地域にあり、集束帯による影響は少なかったと考えられる。

雲の動き 日中は可視画像 20231221

850hPa予想,700hPa高層天気図でも確認できる。

850hPa予想図 202312211200UTC
700hPa天気図 202312210000UTC

以上から、富山県西部地方に流れ込んだ雲は、次のような経路を通り、白山などの山脈にさえぎられたため、大部分は白山北側に迂回したものと考えられる。さらに、富山平野に入った雲は、立山連峰にさえぎられ、日本海にも抜けられなかった様子がうかがえる。

色別標高図は、国土地理院地図より
山を越えたり、南側を迂回した雲もあった。

このコースの海面温度は、次の図のように例年より高かったため、水蒸気量が大きくなり、降雪量が増えたと考えられる。

気象庁ホームページより

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