つぶやき3…講演会の補足等

講演をお聞きいただき、ありがとうございます。講演では、時間の制約があり、十分な説明ができないことがあります。また、質問に答えていますが、分かりやすい資料が提示できないので、説明が不十分になることがあります。そこで、このページを使って補足説明したいと思います。

『令和5年度富山県自然保護講座』(富山市)の資料 7月30日

追加部分(後日配布予定資料)

講座内の質問と回答、補足説明

質問 雨量のmmは、どういう意味か。10mmなら、1cmの雨ということでしょうか。

回答 その通りです。10mmの雨ならば、その地点に10mm=1cmの雨ということです。円筒形の空き缶などを置いておけば、水深10mm=1cmになります。

質問 風速10メートルならば、時速約30キロで走る車で感じる風圧と同じということでしょうか。

回答 その通りです。瞬間風速だと変化が大きいので、平均風速で考えます。平均風速が風速10メートルという意味は、空気の塊が1秒間で10メートル移動するということです。10〔m/s〕。したがって、1時間は、3600秒になるので、10〔メートル〕×3600〔秒〕=36000〔メートル〕=36〔キロメートル〕となるので、時速36キロで走っている物体が受ける風圧と同じになります。

質問 上空の気温や気圧は、どうやって調べているのですか。

回答 風船に観測機器をつけて飛ばしています。1日に2回、全国各地で行っています。近いところでは、輪島です。高層気象観測といいます。詳しい説明は、

ラジオゾンデによる高層気象観測

過去の気象データ検索(高層)

をご利用ください。日本だけでなく、同時刻に世界中で行われています。講座で説明したようにするとwindyで最新の全世界ものが見られます。

質問(休み時間にあったものです) 気象の楽しさが分かったように思います。もっと勉強したいのですが、分かりやすい参考書はないのでしょうか。

回答 気象予報士受験用のものもありますが、やや難しいので、

 天気と気象のしくみ  平井信行 監修 はいかがでしょうか。

  監修が、元NHKの気象キャスターなので、写真はもちろん、図や資料もたくさん使われていて、とてもわかりやすい本です。
 日本の天気について、その時期に発生する現象をとりあげ、現象ごとに読み切り形式でまとめてあり、どこからでも読めます。日頃の天気予報や現象などで気になったことがあったときに、その内容を読んだら良くわかって楽しいです。わかりやすい割には、しっかりと根拠を説明しています。

 上記の本が手に入りにくいそうなので、

 天気と天気図がわかる本  しくみ・読み方・書き方 ビジュアル徹底図解 天気検定協会 (監修)

 はいかがでしょうか。

質問(休み時間にあったものです)  雨の降る雲に「積雲」が入っていませんでしたが、降水を伴うのではないでしょうか。

回答 「積雲」も降水を伴うことが多いのですが、降水を伴わない場合も多いので、今回は強調しませんでした。「積雲」は発達して「積乱雲」になることも多いので、「積乱雲・積雲」と一体的に考えるのもよいかもしれません。次のページを参考にしてください。

国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門

『森山公民館 やまびこ学級(SDGs学級)』(金沢市)の講演 6月14日

質問

能登半島・珠洲市の地震については分かったのですが、白山山頂付近でも、地震がよくありますが、それは、どのような状況なのでしょうか。

回答

白山は、活火山で、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」に指定されており、気象庁などが24時間365日、観測している。
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html

2021.9.21微小な地震が集中して発生し、ニュースになった。
これ以前は、気象庁のページに次のようにまとめられている。

https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/313_Hakusan/313_history.html

気象庁は、毎月、白山の状況に関する報告書を出している。
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/313.html
最新版(6月8日発表)では、次のように記載されている。

結論
火山活動に特段の変化はなく、静穏に経過しており、噴火の兆候は認められません。
噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)の予報事項に変更はありません。

※ 地下のマグマが地殻の一部を押すことで、地震が発生していると考えられる。

朱筆は、岩嵜の方で加えた。以下同じ。

以下、最新版(6月8日発表)の解説資料(2ページ)  

『環の会』総会後の講演 5月27日

質問

最近発生している能登半島・珠洲市の地震は、異常な現象ではないでしょうか。また、今後どうなっていくのでしょうか。

回答

珠洲地方は、当分の間、注意が必要ですが、最近は、観測技術が向上したので、そのために情報が多くなった影響の方が大きいです。珠洲付近に火山ができる可能性などは、現状ではほとんどありません。

気象庁の資料等を利用した補足説明